周辺環境とその理由
こんにちは。
そろそろ11月も終わり、年末の12月に入りました。
気温がぐっと下がって、外出には寒さ対策が不可欠な時期となってきました。
今、高騰している石油、灯油価格が今後生活にどんな影響を与えるのかは気になるところです。
石油ストーブは必要ですし、車で移動するにもまだガソリンが主力燃料ですから、高騰すると使用者には大打撃になります。
石油使用の製品にも影響がでてきてしまう、私達のライフラインですから、このままというのは…。
原因はやはり感染症の影響らしく、ワクチン接種の効果で世界的に経済活動が元に戻り始めている中、今まで以上に原油の需要が高まってしまったという背景らしいです。
半導体不足などで、暖房器具なども生産量を落としていることもあり、間接的なダメージが感染症によりもたらされていると言えますね。
しばらくたてば落ち着くと思いますが、暖房はすぐにでも必要なもの。
対策はしておく必要がありそうです。
さて、以前「意外な盲点!立地で気を付けてたいこと」
という記事にて、住宅を建てる際には立地条件として利便性以外にも目を向けるべきだ、と掲載させていただきました。
住環境は利便や日当たりだけで快適さが手に入るものではなく、周辺環境にも大きく影響されるものだということです。
でも、よく考えてみればおかしい話です。
なんでもっと利便のいい、最適な土地がたくさんあるのに農地ばかりであったり、
駅前の商店街には一般住宅が建っていないのか。
別に多少の騒音や、振動くらいなら我慢できるし、いくらでも土地はあるじゃないか。と
そう、商業施設や病院、工場など住宅としての用途とは別の建物などは建てられる場所が決まっています。
それは建物だけに限らず、土地自体の使用用途も制限されているんです。
一個の土地にすべての建物がたてられるわけではないんですね。
だから、山梨のような田舎では、ずっと街並みが変わらないことが普通ですが、それは土地の開発に制限がかかっているから。
という要因もあります。
土地は沢山ありますが、同じものは二つとありません。
その土地、文化、仕事に合わせた使用用途でないとたくさんの方が困ってしまい、逆に住みづらい環境になってしまいます。
その土地が現在の使われ方をしているのには理由がある、というわけですね。
では、どのような制限があって、どうした理由で指定されているのか。
少し解説していきましょう。
➀住居系
土地の利用方法として最もスタンダードかつ、重要な用途。それは住むところとして購入する住宅地です。
住宅地は比較的広い範囲で住宅用途として土地を利用できます。
人がいないとそもそも周辺環境を形成することができません。住環境は地域の中のかなめですので、こうしたいろんなところで建てられるようになっています。
但し、農地(畑や田)のように生産地や工業地などの人間が住むうえで害となりえる場所、繁華街等の商業の活性している地へ使用用途が住居のみの建物は、条件を満たさないと建てられないことがあったり、難しかったりします。
また、住宅のみ建てることが許される場合もあり、それは住宅専用地域と呼ばれる場所になります。
そうした場所は階数は何階、高さはこれまで、大きさはこのくらいと制限が多いですが、全員が住宅の環境上、ある程度同じ条件で生活できるようにという根拠の元で設定されています。
より住環境として適した周辺環境を提供できる、というわけですね。
②農業系
衣・食・住の中にある、食を支えるのが農業です。
その生産拠点となる農地は他の土地とは少し異なる所有方法となります。
まず、生産農地を取得するには自治体の農業委員会の許可を得るほか、農業経営基盤強化促進法が定める農用地利用集積計画で権利を設定する必要があります。 農地法や農業経営基盤強化促進法以外の方法で農地を取得することはできないという、宅地や他の土地の取得よりも手続きや法律に縛られることが多い土地です。
農地は手放すことも難しく、広大な土地を持つことができ、所有による税金なども宅地と違い優遇されますが、転用や売買も大変な土地なんです。
そういったこともあり、農業の接手がいなくなってしまった遊休土地が複数存在しています。
農地には基本建物は建てられません。例外もありますが、使用用途は農業に関すること以外に変更できないことになっています。
③工業系
第二次産業の要である生産工場、プラントなどの用途で使用される用途地域です。
農地とは違い、様々な建物は建てられる等、規制は緩いのですが、工業地周辺は住環境的に適さないこともあります。
そのため、工業団地のような工場やその関係企業のオフィスが固まってできる傾向があります。
どんな工場でも建てられることが特徴ですが、工業地域は日影規制の適用がないため、大規模な工場が閉鎖した跡地の開発により、高層ビルやタワーマンションが建築されることが多いのも特徴の1つです。
利便度は比較的高い傾向にありますが、戸建ての住宅地としては少し嫌煙される傾向にあるかと思います。
④商業系
その地域における経済の要となる商業地帯は、中心的な商業施設が指定されています。
多くは駅の周辺に指定されることが多い地域で、大きな工場以外はほとんどの建物が建てられる便利な土地です。
非常に便利でにぎやかなところですので、土地の値段も高騰しやすい傾向にありますが、治安や環境が住宅環境として適さない場合もあります。
テナントビルやここでしか商業が行えない店などがたくさんあり、入れ替わりも激しいでので、周辺の土地単価は高くなります。
こうした商業地は土地の建ぺい率(土地に対しての建物面積の割合)が80%近いことが多く、耐火がよりしっかりしているものは100%まで建物を大きくすることができます。
容積率(土地に対する建物全体の容量の割合)は200%を超えることはよくあり、1000%を超える場合もザラです。
ビル建築を想定しての計算をしていますので、基本土地を限界まで使い、上に伸ばす。
という設計が基本になります。
今まで説明した中で、基本的に住宅が建てられるものは
➀.③.④
となり、②は転用許可や開発行為が必要になりますので、農地をそのまま宅地として使用することはできません。
畑や田んぼは特に作物を育てやすくする為、土や地盤が柔らかく、家を建てたとしてもすぐにゆがんだり、崩れてしまいます。
また、ライフラインの上・下水はもちろん通っていません。電気もガスもです。
現代の生活をするうえで、これらのそろっていない土地はいくら安くても、意味がありません。
これら農地はしっかり宅地開発事業者へ依頼し、ライフラインや地盤改良をしっかり行った上で宅地として扱います。
そうした開発後の土地のこと「開発分譲地」といい、その大きさによって町や都市が形成されていきます。
➀.③.④はすぐに建物を建てたり、工事をすることは可能です。
しかし、住環境として適しているかはまた別問題。
利便性を重視した結果、毎朝電車の通る音で起こされる日々になったり、
排気ガスがにおうからずっと窓を閉め切っていなければいけない生活になったり、
安いからと購入した土地に建物を建てると数年後家が沈殿してしまう可能性があります。
その土地がどういった用途の使用に適しているのか、それらをきちっと理解しておくことが、とても大切です。
土地の謄本をとると今の土地の地目と前の所有者の時の種目が出てきます。
それを見て、その時どういう用途で使用されていたのか、業者に聞いたり、現地で考えてみましょう。
なぜこんなに安いのか。高いのか。
変な形なのか。今売りに出されているのか。
それはとても重要なことだと思います。
そう多くない土地の購入には、正しい知識と判断の中で。
それでは今回はこのくらいで。